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本岡 隆文; 上野 文義; 山本 正弘
Proceedings of 2016 EFCOG Nuclear & Facility Safety Workshop (Internet), 6 Pages, 2016/09
福島第一原子力発電所事故時には、緊急冷却のため、2から4号機の使用済燃料プールに海水が注入された。海水は使用済燃料被覆管に局部腐食を生じる可能性があり、局部腐食部からの核分裂生成物等の漏出が懸念される。しかしながら、使用済燃料被覆管の海水中での腐食挙動等は、よくわかっていない。そこで、使用済被覆管の腐食と機械的性質に与える海水の影響を、BWR燃料被覆管を用いて調査した。まず、使用済燃料被覆管を80Cの希釈海水に300h浸漬した後、目視観察、断面観察、機械強度試験を実施した。また、局部腐食感受性を評価するため、希釈海水の塩化物イオン濃度を変えて孔食電位を測定した。浸漬後の被覆管には、目視観察及び断面観察で局部腐食は観察されなかった。また、希釈海水に浸漬した被覆管には局部腐食は生起しないため、機械的強度の劣化は認められなかった。さらに、1.0Vを超えても局部腐食は起こらなかった。これらの結果は、使用済燃料被覆管は海水中で局部腐食が起こり難いことを示唆している。
坂入 正敏; 水流 徹*
Proc. of the Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, p.497 - 506, 1992/00
中性塩化物水溶液中でステンレス鋼に発生する孔食萌芽(孔食の初期過程)に伴い定電位で発生する電流振動を測定し、統計的解析を行った。統計的解析には、信頼性工学で利用されているワイブル確率紙を用いた。孔食萌芽の発生率は、測定電位およびステンレス鋼中に介在する硫化物の数の増加に従って増加することが明らかになった。発生する孔食萠芽の大きさは、測定電位の増加およびステンレス鋼中の硫化物の大きさに従って大きくなることが明らかになった。以上の結果より、孔食萌芽はステンレス鋼の表面状態(硫化物の大きさ、分散状態)および測定電位により影響を受けることが示された。さらに、孔食萠芽には、それが測定可能になるための最小の大きさがあり、孔食萌芽の生存時間のワイブル確率紙プロットより求めた位置のパラメータから、半球状の孔食を仮定して計算すると、直径で約0.2mと求められた。